夏の暑さを乗り切る対策として皆さんはどのような工夫をされていらっしゃいますか。かつての日本人は「行水(ぎょうずい)」や「夕涼み」などで「涼」を得ていたようです。「行水」は、「たらい」や「おけ」に行水を行う前にあらかじめ水を入れておき、日光の当たる場所に置いておくことで冷たい水で行水を行うのではなく、人肌に温められた「ぬるい水」で行水をしていたのだそうです。これは、冷たい水で行水するよりも生ぬるい温度の水で行水する方が、時間が経過しても「涼」を得ることを人々は経験を通じて学んでいたのだそうです。冷たい水で行水をするとその一瞬は心地よく身体が冷えますが、「涼」が持続しないことを当時の人々はどうやら知っていたようなのです。まさに生活の工夫や知恵でありますね。「夕涼み」は、水辺の周辺や、打ち水を行い気温よりも温度の低い水を利用することで涼しい風を「涼」として得る、先人たちの知恵であります。夕刻に川辺に人々が集まりながら、川の水流の上を渡る風を受けて涼む姿がなんとなく浮かんできますね。