フィルムの代表格として長く君臨したセロハン、ポリエチレンにも、欠点は存在します。そこでその欠点を補うべく、新たなフィルムが開発されて、機能性プラスチックフィルムが誕生しました。このフィルムは防湿セロハンの表面に水酸化チタンを塗った上で、低密度ポリエチレンを重ね合わせて造られます。機能性プラスチックフィルムは液体を閉じ込めることもできるため、現在でも多くの食品の包装に使用されています。

ところでこのフィルムの貢献範囲は、単なる食品包装に留まりませんでした。フィルムの性質を活かして、革新的な食品形態の開発に繋げることが出来たのです。具体的には、インスタントラーメンの類をその代表例として挙げることが出来ます。50年代にはポリセロ製の袋に入った乾いた麺が売り出されました。もちろんフィルムの開発はそれで幕を閉じたわけではなく、革新的な食品と並行して研究が続けられました。

そして現在に至るまで、強度や耐熱性を担保するフィルムが何種類も製品化されています。例えば、セロハンを過去のものとして遠ざけてしまうくらい優れたフィルムであるポリプロピレンが世に出ました。いわゆるラミネートフィルムがそれに該当します。ラミネートフィルムは早速インスタントラーメンの袋としても活用され、広く見られるようになりました。他にも、片面にポリエチレン、もう片方にポリエチレンテレフタレートを使用したフィルムも製品化されています。

ここで、インスタントラーメンの包装に関してさらに掘り下げることとしましょう。ラーメンは今や多くの日本人に愛される食品となりましたが、昔は専ら飲食店で味わっていました。出前を取るのも費用が掛かるため、消費者としては自宅で手軽に料理してラーメンを味わいたいと考えていたのです。この消費者心理を見抜き、何とか実現しようして考案されたのがインスタントラーメンでした。その開発には当然ながら包装容器の進化が欠かせないものでした。

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