無機系酸素吸収性包材は、還元鉄粉系を使用したものが代表的だそうです。各社から特許の出願が行われているそうで、一番実用化が進んでいるのが、還元鉄粉を樹脂に練り込んだタイプのものだそうです。これをオキシガードというそうです。これは多層構造になっているそうで、容器の用途やどの程度の酸素吸収バリア特性が必要かによって決められるそうです。

中間層にあたる酸素吸収バリア層は、熱可塑性樹脂に微粉の還元鉄と酸化促進触媒をブレンドしたものだそうです。
内と外の層は、ポリオレフィンを使用しているそうです。中間層の還元鉄の色を隠して外観特性を向上させるために、通常は、チタンホワイトがブレンドされたものを用いるそうです。

外層と酸素吸収層の間に、EVOHなどのガスバリア材層を設ける構成もあるそうです。オキシガードが酸素の捕捉開始となるトリガーは水だそうです。なので、使用前の保管には湿度を低くしておく必要があるそうです。

食品には一般的に水分が含まれていると思いますが、そのため内容物を充填したら酸素捕捉機能が開始されるということのようです。レトルト殺菌には熱水や蒸気が熱媒として使用されているということなので、オキシガードはレトルト食品用の容器に適しているといえるそうです。同一層厚のバリア層をもつポリプロピレン系多層カップに窒素を充填シールして、120℃で30分レトルト処理をして、容器内に透過してくる酸素量を測定してみると、EVOHは水分によって膨潤してしまいガスバリア性が低くなってしまうそうです。

ポリ塩化ビニリデン(PVDC)は、水分の影響を受けないそうですが、塩素を含んでいるので、環境への影響が懸念されるそうです。そんな中、オキシガードを酸素吸収バリア材として使用した場合は、レトルト中の酸素の透過も少なく、水分の影響も少ないそうです。

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